【2026/10/14】つるはしは過去最高に売れていた。なのに半導体は売られ、イオンは私の2,000株ごと沈んだ

繁盛するつるはし屋と、沈んでいくスーパーの前で買い物かごを持って驚く人物のイラスト。ASMLの好決算でも半導体株が売られ、保有するイオン株が下落した一日を表現

私は昨日、こう書いた。

ASMLは、ゴールドラッシュのつるはし屋である。

つるはしが売れていれば、金を掘る人たちはまだ本気だ。

結果。

つるはしは、過去最高に売れていた。

そして、半導体株は売られた。

説明がつかない。


ついでに、イオンも沈んだ。

こっちは説明がつく。

決算が悪かったからである。

そして私は、そのイオンを2,000株持っている。

驚愕している表情の女性
目次

── 本日のまとめ(先に結論) ──

項目結論
日経平均67,744.29円(-33.23円/-0.05%)。5日続落
値動き一時600円超高(高値68,408.14円)→ ASML決算後に失速
TOPIX4,096.78(-13.89/-0.34%)。プライムの約6割が下落
ASML7〜9月期の売上高は過去最高。それでも日本の半導体株は売られた
イオン3〜8月期が市場予想に届かず、一時8.2%安
米9月CPI前年比+3.7%と予想を上回る。米利上げ観測が強まる
日経レバ200株を持ったまま、5日続落を浴びている

── 朝は600円高、ASMLが来たらマイナス ──

指標終値前日比
日経平均67,744.29-33.23(-0.05%)
TOPIX4,096.78-13.89(-0.34%)
グロース250781.58-15.46(-1.94%)
日経平均VI(恐怖指数)28.09-2.32(-7.63%)
日本国債10年3.049%─

朝は、元気だった。

前日に急落したソフトバンクグループなど、AI・半導体株に買い戻しが入った。


日経平均は一時600円を超えて上昇。

高値は68,408.14円。

私は思った。

来た。

反転上昇である。

日経レバ200株が、ようやく報われる。


午後2時。

ASMLが決算を発表した。

そこから東京エレクトロンやレーザーテックがマイナスに転じた。

海外の投機筋が、日経平均先物に売りを出したとも報じられている。

安値は67,533.10円。

終値は33円安。

5日続落。

私の「来た」は、午後2時に帰っていった。

唖然とした表情の猫のイラスト。

── ASML:つるはし屋は、過去最高に儲かっていた ──

ASMLの7〜9月期の中身を並べる。

項目数字
売上高116億6,200万ユーロ(過去最高、前四半期比25%増)
純利益49億6,000万ユーロ
10〜12月期の売上見通し142億〜152億ユーロ
2026年通期の売上見通し440億〜450億ユーロ

売上は過去最高。

次の3カ月は、さらに増える見通し。

クリストフ・フーケCEOは、顧客がAI投資を理由に装置の需要予測を引き上げ続けている、と話したと伝えられている。

2029年から2030年向けの注文に関心を示す顧客もいるらしい。

つるはしの予約が、4年先まで入りかけている。

報道の見出しには「28年まで需要を満たせない」という言葉も並んだ。

作っても作っても、足りない。

ゴールドラッシュで言えば、つるはし屋の前に行列が4年分できている状態である。

それでも、日本の半導体株は売られた。

── いい決算なのに売られる、の正体 ──

なぜか。

はっきりした理由は、報道の中でも一つに絞られていない。

だから、ここからはあくまで私の相場観として書く。

考えられることは2つある。

ひとつは、期待が先に走っていたこと。

「ASMLはいい決算を出すだろう」と、みんなが分かっていた。

分かっていることが起きても、株価はもう上がらない。

テストで100点を取ると予告していた人が、100点を取った。

拍手は、予告のときに済ませてある。


もうひとつは、先週から続いている疑いだ。

つるはしが売れているのは、分かった。

でも、金は出ているのか。

AIを使う側が、本当に稼げているのか。

その答えは、ASMLの決算には書いていない。

つるはし屋の帳簿を見ても、金鉱の様子は分からない。

昨日の記事で「つるはしが売れていても、金が出ているかは別の話」と書いた。

自分で書いておいて、自分の日経レバで答え合わせをすることになった。

── お金はM7に引っ越していた ──

半導体が売られる一方で、米国ではお金の行き先が変わってきている。

アップルやマイクロソフトなどの超大型ハイテク株「マグニフィセント7(M7)」だ。

M7で構成するETFは、13日に最高値を更新した。


ここ2週間で見ると、半導体指数(SOX)は3%あまり下げ、M7のETFは4%上がった。

金利が上がって不安なときは、利益も財務もしっかりした大企業に逃げたくなる。

半導体という、景気によって業績が大きく揺れる業界から、M7という大きな屋敷に、お金が引っ越している。

日経平均が大崩れしなかったのは、この引っ越しで米国株全体が高い水準を保っているから、という見方が出ている。

ただ、日経平均の中にM7はいない。

いるのは、売られている側の半導体株である。

── イオン:私の「謎の根拠」に、決算が答えた ──

ショッピングモールのイラスト

個人的に、今日いちばん痛かったのはこれである。

イオン。

13日に発表した2026年3〜8月期の決算は、こうだった。

項目内容
連結営業利益1,307億円(前年同期比11%増)
市場予想との比較下回った
主力の総合スーパー(GMS)事業苦戦(営業赤字と報じられている)
14日の株価一時8.2%安

利益は11%増えている。

なのに、期待には届かなかった。

先週のファーストリテイリングと同じパターンである。

増益でも怒られる。


百貨店のJ・フロントリテイリングも営業利益の見通しを下方修正し、一時7%あまり下げた。

原油高と金利高で、国内の消費が伸び悩むのではないか。

そういう心配が、小売株全体にのしかかっている。

ここで、私がイオンを買った日のことを振り返る。

10月5日。

2,000株。

1株1,217.5円。

買った理由は「今日はたまたま小売りに資金が来なかっただけ」。

根拠と呼ぶには、だいぶ心もとない。

9日には「小売りが強い」という肌感を書いて、調べたら半分ハズレだった。

そして14日、小売りは決算でとどめを刺された。

私の小売りへの読みは、今のところ3連敗である。

痛い。

痛すぎる。

2,000株だと、1円下がるだけで2,000円減る。

8%下がると、計算したくない。

── 米9月CPI:物価はまだ熱い ──

日本時間の夜9時半、米国の9月の消費者物価指数(CPI)が出た。

項目結果市場予想前回
総合(前年比)+3.7%+3.6%+3.4%
総合(前月比)+0.6%+0.6%+0.4%
コア(前年比)+2.6%+2.5%+2.4%
コア(前月比)+0.3%+0.2%+0.3%

コアとは、値動きの激しい食料とエネルギーを除いた数字。

物価の「体質」を見るための数字である。

総合もコアも、予想を少し上回った。

物価はまだ冷めていない。

そうなると、米国の中央銀行は利上げを考える。

発表後、10月の会合で0.25%の利上げがあると見る割合は、21.6%から43.7%に上がった。

12月までに少なくとも1回利上げがあると見る割合は、94.9%。

ほぼ確定扱いである。

米国債10年の利回りは、5.291%まで上がった。

金利が上がると、株の割高感が強まる。

普通に考えれば、株には向かい風だ。

── 時間外の日経は、なぜか元気 ──

ところが、今夜の時間外の日経平均は崩れていない(あくまで今だけ)。

指標値前日比
日経平均(時間外)67,791+13(+0.02%)
日経先物(ラージ)67,960-200(-0.29%)
ダウ平均51,823.73+153.63(+0.30%)
ナスダック総合27,062.33-142.05(-0.52%)
S&P5007,780.33-25.12(-0.32%)
半導体指数(SOX)11,980.03-228.77(-1.87%)
恐怖指数(VIX)15.63+2.29%
米国債10年5.291%+1.63%
ドル円158.860円─
原油(WTI)94.275ドル+2.56%

※14日夜、米国市場の取引中に確認したボード表示。

物価は熱い。

金利は上がった。

原油も2.56%高い。

半導体指数は1.87%安で、とうとう12,000を割った。

悪い材料がそろっているのに、時間外の日経平均は13円高。

正直、よく分からない。

ただ、米国の取引はまだ途中である。

結局は、朝になってみないと分からない。

── 日経レバ200株と、TSMCの夜 ──

日経レバは、200株を持ったままである。

13日の時点で、含み損は約49万円。

14日は朝に一瞬、報われかけた。

そして午後2時に、報われなくなった。

次の答え合わせは、15日。

台湾のTSMCの決算である。

ASMLが「つるはし屋」なら、TSMCは「つるはしで掘った石を、宝石に磨く工房」に近い。

AI向けの半導体を、実際に作って売っている会社だ。

ここの数字が強ければ、AIの需要は本物だという材料になる。

ただ、今日のASMLを見たあとでは、こう思わずにいられない。

いい決算でも、売られるかもしれない。

過去最高でも、怒られるかもしれない。

期待という名の100点予告は、たぶんもう済んでいる。

私にできるのは、決めておくことだけである。

どこまで下がったら、損切りするのか。

昨日も同じことを書いた。

まだ決めていない。


※本記事は私個人の投資記録であり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨するものではありません。数値は記事作成時点で確認したもので、米国市場の数値は取引時間中のものです。相場の見方はあくまで個人の印象であり、投資の最終判断は、各自の責任で行うものです。

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