私は昨日、こう書いた。
ASMLは、ゴールドラッシュのつるはし屋である。
つるはしが売れていれば、金を掘る人たちはまだ本気だ。
結果。
つるはしは、過去最高に売れていた。
そして、半導体株は売られた。
説明がつかない。
ついでに、イオンも沈んだ。
こっちは説明がつく。
決算が悪かったからである。
そして私は、そのイオンを2,000株持っている。

── 本日のまとめ(先に結論) ──
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 日経平均 | 67,744.29円(-33.23円/-0.05%)。5日続落 |
| 値動き | 一時600円超高(高値68,408.14円)→ ASML決算後に失速 |
| TOPIX | 4,096.78(-13.89/-0.34%)。プライムの約6割が下落 |
| ASML | 7〜9月期の売上高は過去最高。それでも日本の半導体株は売られた |
| イオン | 3〜8月期が市場予想に届かず、一時8.2%安 |
| 米9月CPI | 前年比+3.7%と予想を上回る。米利上げ観測が強まる |
| 日経レバ | 200株を持ったまま、5日続落を浴びている |
── 朝は600円高、ASMLが来たらマイナス ──
| 指標 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 67,744.29 | -33.23(-0.05%) |
| TOPIX | 4,096.78 | -13.89(-0.34%) |
| グロース250 | 781.58 | -15.46(-1.94%) |
| 日経平均VI(恐怖指数) | 28.09 | -2.32(-7.63%) |
| 日本国債10年 | 3.049% | ─ |
朝は、元気だった。
前日に急落したソフトバンクグループなど、AI・半導体株に買い戻しが入った。
日経平均は一時600円を超えて上昇。
高値は68,408.14円。
私は思った。
来た。
反転上昇である。
日経レバ200株が、ようやく報われる。
午後2時。
ASMLが決算を発表した。
そこから東京エレクトロンやレーザーテックがマイナスに転じた。
海外の投機筋が、日経平均先物に売りを出したとも報じられている。
安値は67,533.10円。
終値は33円安。
5日続落。
私の「来た」は、午後2時に帰っていった。



── ASML:つるはし屋は、過去最高に儲かっていた ──
ASMLの7〜9月期の中身を並べる。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 売上高 | 116億6,200万ユーロ(過去最高、前四半期比25%増) |
| 純利益 | 49億6,000万ユーロ |
| 10〜12月期の売上見通し | 142億〜152億ユーロ |
| 2026年通期の売上見通し | 440億〜450億ユーロ |
売上は過去最高。
次の3カ月は、さらに増える見通し。
クリストフ・フーケCEOは、顧客がAI投資を理由に装置の需要予測を引き上げ続けている、と話したと伝えられている。
2029年から2030年向けの注文に関心を示す顧客もいるらしい。
つるはしの予約が、4年先まで入りかけている。
報道の見出しには「28年まで需要を満たせない」という言葉も並んだ。
作っても作っても、足りない。
ゴールドラッシュで言えば、つるはし屋の前に行列が4年分できている状態である。
それでも、日本の半導体株は売られた。
── いい決算なのに売られる、の正体 ──
なぜか。
はっきりした理由は、報道の中でも一つに絞られていない。
だから、ここからはあくまで私の相場観として書く。
考えられることは2つある。
ひとつは、期待が先に走っていたこと。
「ASMLはいい決算を出すだろう」と、みんなが分かっていた。
分かっていることが起きても、株価はもう上がらない。
テストで100点を取ると予告していた人が、100点を取った。
拍手は、予告のときに済ませてある。
もうひとつは、先週から続いている疑いだ。
つるはしが売れているのは、分かった。
でも、金は出ているのか。
AIを使う側が、本当に稼げているのか。
その答えは、ASMLの決算には書いていない。
つるはし屋の帳簿を見ても、金鉱の様子は分からない。
昨日の記事で「つるはしが売れていても、金が出ているかは別の話」と書いた。
自分で書いておいて、自分の日経レバで答え合わせをすることになった。
── お金はM7に引っ越していた ──
半導体が売られる一方で、米国ではお金の行き先が変わってきている。
アップルやマイクロソフトなどの超大型ハイテク株「マグニフィセント7(M7)」だ。
M7で構成するETFは、13日に最高値を更新した。
ここ2週間で見ると、半導体指数(SOX)は3%あまり下げ、M7のETFは4%上がった。
金利が上がって不安なときは、利益も財務もしっかりした大企業に逃げたくなる。
半導体という、景気によって業績が大きく揺れる業界から、M7という大きな屋敷に、お金が引っ越している。
日経平均が大崩れしなかったのは、この引っ越しで米国株全体が高い水準を保っているから、という見方が出ている。
ただ、日経平均の中にM7はいない。
いるのは、売られている側の半導体株である。
── イオン:私の「謎の根拠」に、決算が答えた ──



個人的に、今日いちばん痛かったのはこれである。
イオン。
13日に発表した2026年3〜8月期の決算は、こうだった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 連結営業利益 | 1,307億円(前年同期比11%増) |
| 市場予想との比較 | 下回った |
| 主力の総合スーパー(GMS)事業 | 苦戦(営業赤字と報じられている) |
| 14日の株価 | 一時8.2%安 |
利益は11%増えている。
なのに、期待には届かなかった。
先週のファーストリテイリングと同じパターンである。
増益でも怒られる。
百貨店のJ・フロントリテイリングも営業利益の見通しを下方修正し、一時7%あまり下げた。
原油高と金利高で、国内の消費が伸び悩むのではないか。
そういう心配が、小売株全体にのしかかっている。
ここで、私がイオンを買った日のことを振り返る。
10月5日。
2,000株。
1株1,217.5円。
買った理由は「今日はたまたま小売りに資金が来なかっただけ」。
根拠と呼ぶには、だいぶ心もとない。
9日には「小売りが強い」という肌感を書いて、調べたら半分ハズレだった。
そして14日、小売りは決算でとどめを刺された。
私の小売りへの読みは、今のところ3連敗である。
痛い。
痛すぎる。
2,000株だと、1円下がるだけで2,000円減る。
8%下がると、計算したくない。
── 米9月CPI:物価はまだ熱い ──
日本時間の夜9時半、米国の9月の消費者物価指数(CPI)が出た。
| 項目 | 結果 | 市場予想 | 前回 |
|---|---|---|---|
| 総合(前年比) | +3.7% | +3.6% | +3.4% |
| 総合(前月比) | +0.6% | +0.6% | +0.4% |
| コア(前年比) | +2.6% | +2.5% | +2.4% |
| コア(前月比) | +0.3% | +0.2% | +0.3% |
コアとは、値動きの激しい食料とエネルギーを除いた数字。
物価の「体質」を見るための数字である。
総合もコアも、予想を少し上回った。
物価はまだ冷めていない。
そうなると、米国の中央銀行は利上げを考える。
発表後、10月の会合で0.25%の利上げがあると見る割合は、21.6%から43.7%に上がった。
12月までに少なくとも1回利上げがあると見る割合は、94.9%。
ほぼ確定扱いである。
米国債10年の利回りは、5.291%まで上がった。
金利が上がると、株の割高感が強まる。
普通に考えれば、株には向かい風だ。
── 時間外の日経は、なぜか元気 ──
ところが、今夜の時間外の日経平均は崩れていない(あくまで今だけ)。
| 指標 | 値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均(時間外) | 67,791 | +13(+0.02%) |
| 日経先物(ラージ) | 67,960 | -200(-0.29%) |
| ダウ平均 | 51,823.73 | +153.63(+0.30%) |
| ナスダック総合 | 27,062.33 | -142.05(-0.52%) |
| S&P500 | 7,780.33 | -25.12(-0.32%) |
| 半導体指数(SOX) | 11,980.03 | -228.77(-1.87%) |
| 恐怖指数(VIX) | 15.63 | +2.29% |
| 米国債10年 | 5.291% | +1.63% |
| ドル円 | 158.860円 | ─ |
| 原油(WTI) | 94.275ドル | +2.56% |
※14日夜、米国市場の取引中に確認したボード表示。
物価は熱い。
金利は上がった。
原油も2.56%高い。
半導体指数は1.87%安で、とうとう12,000を割った。
悪い材料がそろっているのに、時間外の日経平均は13円高。
正直、よく分からない。
ただ、米国の取引はまだ途中である。
結局は、朝になってみないと分からない。
── 日経レバ200株と、TSMCの夜 ──
日経レバは、200株を持ったままである。
13日の時点で、含み損は約49万円。
14日は朝に一瞬、報われかけた。
そして午後2時に、報われなくなった。
次の答え合わせは、15日。
台湾のTSMCの決算である。
ASMLが「つるはし屋」なら、TSMCは「つるはしで掘った石を、宝石に磨く工房」に近い。
AI向けの半導体を、実際に作って売っている会社だ。
ここの数字が強ければ、AIの需要は本物だという材料になる。
ただ、今日のASMLを見たあとでは、こう思わずにいられない。
いい決算でも、売られるかもしれない。
過去最高でも、怒られるかもしれない。
期待という名の100点予告は、たぶんもう済んでいる。
私にできるのは、決めておくことだけである。
どこまで下がったら、損切りするのか。
昨日も同じことを書いた。
まだ決めていない。
※本記事は私個人の投資記録であり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨するものではありません。数値は記事作成時点で確認したもので、米国市場の数値は取引時間中のものです。相場の見方はあくまで個人の印象であり、投資の最終判断は、各自の責任で行うものです。








